教育目標
本校の化学工業科の教育目標は次のとおりです。
- 化学工業に必要な化学理論と化学的な基礎知識を習得させ、化学工業技術の進歩改善に寄与する能力を養います。
- 実験実習を中核とした体験学習を重視し、創造性と実践力のある技術者の養成に努めます。
取得可能な資格及び検定
- 計算技術検定3級
- 情報技術検定3級
- 危険物取扱者(甲種、乙種)
- 2級ボイラー技士
- 国家検定 技能検定3級(化学分析作業)
- 公害防止管理者
- 毒物劇物取扱者※1
- ※1本校の化学工業科を卒業することで、「毒物劇物取扱者」となるために必要な単位を取得することができます。
コースについて
化学工業科には材料化学コース、環境化学コースがあります。
材料化学コース(製造化学コース) |
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20世紀の化学技術は空気、水、海水、木材、鉱物、天然ガス、石油、石炭など、私たちが住んでいる地球に存在する資源を利用してきたことは事実です。 「物質は人間が何かを作ろうとして目的意識をもって使い始めたときから材料となる」と考えるなら、これまでに化学工業は、どれだけの材料を供給してきたことははかりしれません。しかし、これまでのような資源を大量消費する生産方式を改め、資源の有効利用と、人間の社会生活に深いかかわりをもつ環境の保全に、積極的に対応しつつ、付加価値の高い化学工業製品、つまり材料を供給していかなければなりません。 現在はいろんな材料の研究が、物質の分子や原子レベルまで掘り下げられたことにより、これまでにない高性能で強度や耐久性に優れ、しかも小型・軽量化された、新しい高度な機能を持つ材料が、どんどん生み出されています。 |
環境化学コース(環境コース) |
モノづくり、すなわち物を利用することの無限の競争拡大により、企業活動は大量生産、大量消費社会を作り上げ、これによりもたらされた弊害も数多くあります。 大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、産業廃棄物、地球温暖化、オゾンホール、ごみ問題など挙げればきりがありません。こうした地球環境問題のほかに、人間の心の環境、つまりモノの大切さ、モノの生命を育むといった感覚を失いつつあることも否定できません。 私たちは、まさに、この環境問題に直面し、人々の心と技術に大きな変化が求められています。そのためには、積極的に環境教育を実施し、環境を考えたリサイクル型社会の実現、環境にやさしいモノづくり、有限なる資源の有効利用、ごみ資源活用による最終処分量の削減、環境保全のための監視技術などにより、その解決を図る努力をしなければなりません。 環境問題にもっとも深いつながりがある化学工業科で、環境化学技術者を目指して学んでくれることを期待します。 |
工業技術基礎・化学工業実習について
化学の実験には、「つくる実験」、「はかる実験」、「観察する実験」、「わける実験」などがあります。化学工業科でも、これらを体験したり、実際に工場でも使われている機器の操作の習得を行うなど、幅広い実験・実習を行っています。
次の写真は、化学工業科で行う実習の様子です。また、写真のほかにも、「石鹸の製造」、「電気メッキ」、「水の環境分析」、「気体の環境分析」など、様々な実習があります。
化学反応を使ってものづくりをしたい人、化学分析をしてみたい人、将来、化学に関する仕事をしてみたい人など、ぜひ、本校の化学工業科で一緒に勉強しましょう。
陽イオンの定性分析 | 七宝焼きの製作 | アーク溶接 |
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パソコン実習 | 硫酸銅の製造 | 中和滴定 |
表面張力の測定 | 屈折率の測定 | 廃液処理装置実習 |
酢酸エチルの合成 | 流動試験実習 | 液体クロマトグラフィー |
学習する科目
化学工業技術者となるための専門科目を勉強します。
専門科目には、(1)工業技術基礎、(2)課題研究、(3)化学工業実習、(4)情報技術基礎、(5)工業化学、(6)化学工学の6科目とコース制の選択科目があります。
卒業後の主な進路
本校は宇部・小野田工業地帯の中心部にあり、地元の主要企業に有利な就職ができます。
化学工業科を卒業すると、化学工場において、化学製品の研究開発、製造工程の研究、品質管理、化学プラントの運転管理、品質試験、試験計測及び自動制御、研究開発などの仕事につきます。